後付けの自動施錠(スマートロック)がもたらす恩恵は、単なる利便性や防犯性の向上だけにとどまりません。その機能を活用することで、離れて暮らす高齢の親や、留守番をしている子どもを、さりげなく見守るための強力なツールとなり得るのです。まず、子どもがいる家庭での活用シーンを考えてみましょう。共働き家庭などでは、子どもが学校から一人で帰宅し、留守番をするケースも少なくありません。そんな時、親として心配なのが、きちんと玄関の鍵を閉めているかどうかです。自動施錠機能があれば、子どもが家に入ってドアを閉めさえすれば、自動的に鍵がかかるため、閉め忘れの心配がありません。さらに、スマートフォンアプリと連携するモデルであれば、子どもが解錠したタイミングで、親のスマホに「〇〇が帰宅しました」といった通知が届くように設定できます。これにより、離れた職場にいても、子どもの無事な帰宅をリアルタイムで確認できるのです。また、子どもに物理的な鍵を持たせると、紛失のリスクが常につきまといますが、暗証番号や専用のICカードで解錠できるスマートロックなら、その心配もありません。次に、高齢の親の見守りとしての活用です。実家で一人暮らしをしている親が、鍵をかけ忘れていないか、毎日元気に過ごしているか、という心配は尽きないものです。実家の玄関に自動施錠を取り付ければ、まず鍵の閉め忘れという防犯上のリスクを解消できます。そして、アプリの入退室履歴を確認することで、親がいつ外出し、いつ帰宅したのかがわかります。例えば、「昨日から一度もドアが開けられていない」ということがわかれば、それは何らかの異常があった可能性を示すサインとなり、すぐに電話をかけたり、駆けつけたりするきっかけになります。これは、室内にカメラを設置するような直接的な監視とは異なり、相手のプライバシーに配慮しつつ、さりげなく安否を確認できる、優しい見守りの形と言えるでしょう。後付け自動施錠は、テクノロジーの力で、家族間のコミュニケーションを補い、大切な人々の安全と安心を支える、新しい時代の「お守り」となってくれるのです。
後付け自動施錠で子どもと高齢者を見守る