家の中には様々な役割を持つ部屋があり、それぞれの用途に適したドアノブが存在します。リビングであれば頻繁に開け閉めするため耐久性が高く操作しやすいレバーハンドルが向いていますし、トイレや脱衣所には外から解錠できる非常解錠機能付きの表示錠が不可欠です。寝室にはプライバシーを守るためのシリンダー錠や内締錠が選ばれることが多いでしょう。ドアノブを取り付ける際には、こうした機能性の違いを理解した上で、適切な製品を選ぶことが大切です。最近ではユニバーサルデザインの観点から、握力の弱いお年寄りや小さなお子様でも楽に操作できる、ロングレバータイプのノブへの付け替えが推奨されるケースも増えています。 取り付け作業における一つのコツとして、ドアの「吊り元」を確認することが挙げられます。ドアが右開きか左開きかによって、レバーハンドルの向きを調整しなければならない製品があるからです。多くの汎用品は左右兼用となっていますが、取り付け時に内部の部品を反転させる作業が必要になる場合があります。説明書を読み飛ばしてそのまま取り付けてしまうと、レバーが逆向きになってしまい、使い勝手が非常に悪くなってしまいます。また、取り付けの最中にドアが閉まってしまい、外に出られなくなるというトラブルも意外と多く報告されています。作業中は必ずドアの間にストッパーを挟むか、家族に声をかけて開けた状態を維持するようにしましょう。 また、取り付けの仕上げとして忘れてはならないのが、潤滑剤の活用です。新品のドアノブであっても、ラッチの可動部や鍵のシリンダー部分に専用のシリコンスプレーや粉末潤滑剤を少量塗布しておくことで、驚くほど動作が滑らかになります。ただし、住宅用の鍵穴に油分を含んだ一般的な潤滑油を使うと、埃を吸い寄せて故障の原因になるため、必ず「鍵専用」の製品を使用してください。細かな配慮ですが、これを行うだけで取り付け直後の快適さが長く持続します。デザインの美しさだけでなく、家族全員が毎日ストレスなくドアを通れるように、機能と取り付け品質の両面にこだわって作業を進めることが、心地よい住まい作りへの近道と言えるでしょう。