玄関ドアの内側に取り付けられている、金属製のアームやチェーン。多くの人が一度は目にしたことがあるこの装置が「ドアガード」です。一般的には「ドアチェーン」や「U字ロック」といった通称で知られていますが、これらは私たちの安全を守るための重要な役割を担っています。その基本的な役割は、訪問者の確認を安全に行うためのものです。ドアを完全に開けることなく、数センチだけ開けた状態で相手の顔や身分を確認できるため、不審者や悪質な訪問販売員などを安易に室内に入れてしまうリスクを減らすことができます。特に、一人暮らしの女性や高齢者にとっては、最初の防犯ラインとして非常に心強い存在です。ドアガードには、主に二つの種類があります。一つは、昔から多くの住宅で使われている「チェーンタイプ」です。ドア枠に取り付けた受け金具に、ドア本体に付いているチェーンの先端を引っ掛けて使用します。シンプルで分かりやすい構造ですが、チェーン自体が細いため、強い力で引っ張られると切断されてしまうという脆弱性も指摘されています。もう一つが、現在主流となっている「アームタイプ」です。U字型やI字型の金属製のアームを、ドア側の本体からスライドさせて、ドア枠の受け金具に差し込むことでロックします。チェーンタイプに比べて頑丈で、外部からの衝撃に強いのが特徴です。アームタイプの中には、ロックしたままアームを少し持ち上げることで、完全にドアを開けられるようになる「バリアフリー対応型」もあります。これは、車椅子の方でも使いやすいように工夫されたもので、緊急時に消防隊員などが外から特殊な工具で解錠しやすいという側面も持っています。このように、ドアガードは単なるドアの付属品ではなく、その種類によって強度や機能が異なります。自宅のドアガードがどのタイプで、どのような特徴を持っているのかを正しく理解しておくことは、日々の防犯意識を高める上で非常に大切なことなのです。
ドアガードとは?基本的な役割と種類を知る