「ドアガードを外から開ける」と聞くと、多くの人は空き巣や不審者の侵入といった、ネガティブなイメージを抱くかもしれません。確かに、不正な目的でドアガードを突破しようとする犯罪は存在します。しかし、実際には、もっと切実で、緊急性の高い理由から、外からドアガードを開けなければならない状況というものが数多く存在するのです。最も多く、そして深刻なのが「室内での急病や事故による閉じ込め」です。特に、一人暮らしの高齢者が、室内で転倒して動けなくなったり、脳卒中や心筋梗塞で意識を失ったりした場合、自分で助けを呼ぶことができません。異変に気づいた家族や近所の人が駆けつけても、内側からドアガードがかかっているために中に入ることができず、救急隊員の到着を待つしかありません。この数分、数十分の遅れが、命の危険に直結してしまうのです。また、小さなお子さんがいる家庭でも、同様のリスクは潜んでいます。子どもが、親がゴミ出しなどで少し外に出た隙に、興味本位でドアガードをかけてしまい、親が中に入れなくなってしまう。子どもはパニックになり、親は外で途方に暮れる。これも、決して珍しくないトラブルです。さらに、認知症の高齢者がいるご家庭では、徘徊を防ぐために内側からドアガードをかけることがありますが、何かの拍子に室内で動けなくなってしまった場合、やはり外部からの救助が困難になります。このほか、強風でドアが煽られて、意図せずドアガードがかかってしまうというアクシデントや、ペットがいたずらでかけてしまうという、笑えない話も実際に起こっています。このように、ドアガードを外から開ける必要性は、犯罪目的ではなく、むしろ「中にいる大切な人の命や安全を守る」ために発生することがほとんどです。それは、いつ誰の身に起きてもおかしくない、非常に現実的な緊急事態なのです。
なぜ外からドアガードを開ける必要が?想定される状況