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築二十年の我が家で挑戦したドアノブ交換の体験記
我が家も築二十年を超え、あちこちにガタが来始めました。特に毎日何度も触れるリビングのドアノブは、いつの間にか塗装が剥げ、回すたびに「ギギッ」という不快な音を立てるようになっていました。修理を依頼することも考えましたが、インターネットで調べると自分でも簡単に交換できるという情報を目にし、思い切ってDIYに挑戦することにしました。ホームセンターの建築金物コーナーへ行くと、驚くほど多種多様なドアノブが並んでいましたが、私は手になじみやすく、荷物を持っていても肘で開けられるレバーハンドルタイプを選ぶことにしました。古いノブは丸い握り玉タイプだったので、これに変えるだけで生活が少し便利になる予感がしました。 作業当日、古いドアノブを外すところから苦戦が始まりました。長年の使用でネジ山が潰れかけており、なかなか回らなかったのです。潤滑剤を吹き付け、慎重に力を込めるとようやくネジが動き出し、古いノブが外れたときはそれだけで一仕事終えたような気分になりました。ドアにぽっかりと開いた穴を眺めながら、新しいラッチを差し込んでみました。説明書を片手に、ラッチの向きを確認しながら進めます。新しいレバーハンドルを左右から挟み込むようにセットするのですが、水平を保ちながらネジ穴を合わせるのが意外と難しく、何度かやり直しました。ようやく形になったところでネジを締め、恐る恐るレバーを下げてみると、これまでの重々しい動きが嘘のように軽やかになり、思わず「おおっ」と声が出てしまいました。 一番心配だったのは、ドア枠側の受け金具であるストライクとの噛み合わせでした。古いものを取り外し、新しい金具に付け替えてドアを閉めてみると、寸分の狂いもなくぴったりと収まりました。これまでは少し力を込めないと閉まりきらなかったドアが、指一本で押すだけで静かに閉まるようになったのです。かかった時間は一時間足らず、費用も数千円の部品代だけで済みました。古びたドアノブが新しくなっただけで、廊下の雰囲気まで明るくなったように感じます。自分で手を動かして家をメンテナンスすることの楽しさを、このドアノブ交換を通じて教わったような気がします。次は洗面所や寝室のノブも、お揃いのデザインに変えてみようと計画を膨らませています。
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プロの鍵師が教えるドアノブ取り付け時に注意すべき盲点
長年、現場で様々なドアトラブルに対応してきましたが、お客様がご自身でドアノブを取り付けた後に、故障や閉じ込め事故が発生して呼ばれるケースが少なくありません。DIYでドアノブを取り付ける際、プロの視点から見て最も注意してほしい盲点は「ラッチの向き」と「ネジの締めすぎ」です。特にラッチの向きを逆にしてしまうと、ドアを閉めた瞬間にロックがかかってしまい、外からも中からも開けられなくなる「ラッチ死に」という状態に陥ることがあります。取り付け終わった後、ドアを閉める前に必ず指でラッチを押し込み、スムーズに戻るか、斜面が正しい方向を向いているかを三回は確認してください。 もう一つのよくある失敗は、電動ドライバーの多用です。最近の安価なドアノブは内部パーツにプラスチックや薄い金属を使っていることが多く、電動工具で強力に締め付けると内部のメカニズムが歪んでしまいます。すると、レバーを下げてもラッチが完全に引っ込まなくなり、半開きのような状態でドアが動かなくなるトラブルを招きます。ネジは「止まるところまで」締めれば十分であり、最後に手回しドライバーでクッと力を加える程度が理想的です。また、海外製の安価な輸入品を取り付ける際は、日本の標準的な規格と微妙にサイズが異なる場合があるため、無理に押し込むとドア自体に亀裂が入ることもあります。サイズが合わないと感じたら、決して力任せに進めないことが鉄則です。 最後に、取り付け後のメンテナンスについても触れておきます。新しく取り付けたドアノブを末長く使うためには、半年に一度は固定ネジに緩みがないかチェックし、ラッチ部分の汚れを拭き取ることが大切です。もしレバーの戻りが悪くなってきたと感じたら、それは内部の潤滑不足か、建付けの歪みが原因かもしれません。早期に気づいて微調整すれば寿命は延びますが、放置するとある日突然壊れてしまいます。ドアノブは、家族の安全を守る境界線にある重要な部品です。ご自身で取り付ける際は、作業の楽しさと同時に、その背後にある安全への責任も意識して、丁寧な仕事を心がけていただきたいと思います。それが、トラブルを未然に防ぎ、快適な生活を維持するための最大の秘訣なのです。