室内で家族が倒れている、子どもが閉じ込められてしまった。そんな一刻を争う緊急事態で、ドアガードがその行く手を阻んでいる。自力で開けることもできず、途方に暮れてしまった時、頼りになるのが「鍵の専門業者」です。一般的には、鍵開けや鍵交換のプロとして知られていますが、彼らの多くは、このドアガードの開錠作業にも対応しています。では、専門業者は、どのような場合に、どのようにしてドアガードを開けるのでしょうか。まず、業者が依頼を受けるのは、当然ながら正当な理由がある場合に限られます。電話で依頼を受ける際、オペレーターは必ず状況を詳しく聞き取り、緊急性の高さを判断します。そして、現場に到着した作業員は、作業前に必ず依頼者の身分証明書の提示を求め、その家の居住者であること、あるいは家族であることなどを確認します。この本人確認を怠る業者は、信頼できないと判断すべきです。本人確認が完了すると、いよいよ開錠作業に入ります。プロの業者は、ドアやドアガード本体を極力傷つけない「非破壊」での開錠を第一に目指します。彼らは、特殊な形状をした細長い工具や、ワイヤーなどを巧みに操り、ドアの隙間からアームやチェーンにアクセスします。そして、長年の経験で培った感覚を頼りに、内部のロックをずらしたり、引っかけて外したりして、解錠を試みます。多くのケースでは、この非破壊開錠によって、数分から数十分でドアガードを開けることができます。しかし、ドアガードの種類や設置状況、あるいはドアの歪みなどによっては、非破壊での開錠が困難な場合もあります。また、一刻を争う人命救助の場面などでは、時間を優先し、依頼者の許可を得た上で、やむを得ずドアガードやドアの一部を破壊して開ける「破壊開錠」を選択することもあります。専門業者に依頼する場合の費用は、作業の難易度や時間帯にもよりますが、おおよそ八千円から二万円程度が相場です。緊急時に、安全かつ迅速に問題を解決してくれるプロの存在は、まさに最後の砦と言えるでしょう。
ドアガードを外から開ける専門業者の存在